・示談の内容を公正証書にする意義
セクハラ行為に関して示談書を締結する場合、その内容を公正証書にする場合があります。公正証書上に「金銭債務を履行しないときは、直ちに強制執行に服する旨陳述した。」という条項があれば、加害者が損害賠償を履行しないときは、被害者は、訴訟提起をすることなく、加害者に対して強制執行することができます。なお、このような効力を有する公正証書のことを執行証書といいます。
ただし、執行証書において強制執行の対象となるのは、金銭の一定額の支払債務であり、不動産等の引渡債務は、その対象となりません。
そのため、セクハラ行為に関する示談において、主たる内容が金銭による損害賠償の支払となるような場合には、公正証書により示談することは、一定のメリットがあるといえます。
・公正証書による示談書作成の手順
公正証書により示談書を作成する場合、まずは公正証書の原案を作成する必要があります。その場合、通常の示談書の内容に公正証書特有の条項を加筆修正して作成することになります。
公正証書の原案が完成したら、その原案と必要資料を公証人に提出した上で公証人に「公正証書作成日に被害者と加害者が実際に署名押印予定の公正証書」を作成してもらいます。
「公正証書作成日に被害者と加害者が実際に署名押印予定の公正証書」が公証人から送られてきたら、その内容を被害者と加害者間で確認し、双方でその内容に合意できたら、公証人と間で公正証書作成日をいつの日にするかを打ち合わせることになります。
その後、被害者と加害者の双方が公証人が在籍する公証役場に赴いて、被害者、加害者及び公証人の三者が公正証書に署名押印することになります。
・当事務所での対応方法
当事務所でも示談書を公正証書で作成する場合のサポートは、対応可能となっております。当事務所で対応可能なな業務は、下記のとおりとなっております。報酬額等の詳細は、別途お問い合わせ頂ければと存じます。
(1)示談書を公正証書にする場合の原案作成
(2)公証人との打ち合わせ代行
(3)代理又は立会